法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

峯岸邦夫(著)「トコトンやさしい道路の本」

峯岸邦夫(著)「トコトンやさしい道路の本」を読みました。道路の歴史、規格、工法、維持管理などについて一般向けに簡潔に紹介されている本です。

普段取り立てて意識することなく当たり前のように道路を利用していますが、道路には歴史の中で積み重ねられた知見が凝縮されているんだなと思いました。そしてたくさんの人の日々の働きによって予算捻出、維持管理されているんだなと思いました。


いつの時代にも、道路は移動面でも輸送面でも社会的に重要な役割を果たしています。しかし、新設・拡充をすればするほど維持管理費が膨らんでいきます。人口が減少し始めた日本で、果たして現在の道路網を維持管理し続けることができるのか。いずれは道路の撤去・縮幅が必要になるのではないか。道路に限らずインフラ全般の撤去・縮小が必要なのではないか。この本を読みながらそんなことを思いました。

10年くらい前に秩父武甲山の山体の変容ぶりを見て以来、コンクリート文明を終わらせることはできないものかと考えるようになりました。資源浪費社会は武甲山だけでなくたくさんの野山も海も破壊しています。そしてたくさんの廃棄物を生み出し、野山に海にあふれかえっています。まるで人間社会は大自然をパクパクと食べ散らかして、所構わず糞尿屁をばらまいているかのようです。

このような社会がいつまで続きうるのか、このような暮らしが本当に幸せなのか、もっと真剣に考えないといけないと思います。これからは不便を楽しむライフスタイルを積極的に取り入れた方がよいのではないかと思いました。