先日読んだ小田中直樹(著)『フランス7つの謎』に、フランス人は直接行動に出ることが多いと書いてありました。フランスには、直接行動を真摯に受け止めて、真剣に再検討して、行動に移す人たちが民衆にも政治家にも経営者にも大勢いるからこその直接行動ではないかと思いました。
「Socially Engaged Art」と呼ばれるアート活動も同様に、作品が発するメッセージを真摯に受け止めて、真剣に再検討して、行動に移す人たちが大勢いるからこそ成り立つアート手法ではないかと思います。
文化的素地の異なる日本で果たして直接行動や「Socially Engaged Art」がどのくらいの力を発揮できるか…。一歩戻って、まずは文化的素地を変えていく活動が必要なのか…。あるいは日本にあった全然違う手法がよいのか…
下記記事より『フランスの大手スーパーマーケット・カルフールが仕掛けたソーシャルキャンペーンをご紹介。』『農家が出荷する野菜のサイズが法律で厳格に定められており、規格のサイズに収めるために農薬などが使用されている「不自然な現状」に対抗するため、規格外サイズに育った野菜たちのみを販売する「ブラック(違法)スーパーマーケット」をスーパー店内の一角にオープン。「不自然なのは法律のほうだ!」と、改正を呼びかけました。』
- 「不自然なのは法律のほうだ!」仏スーパーマーケットが“違法”なスーパーを開店 (AdGang, 2018-11-22)
《追記 2018-12-11》
最近のフランスの直接行動の映像を見て、哲学者・國分功一郎さんの「パリのデモから考える」というエッセイを思い出しました。スタジオジブリ小冊子『熱風』2012年2号「デモ」特集号に掲載されていた文章です。
下記記事より『そうやって人間が集まるだけで、そこで掲げられているテーマとは別のメッセージが発せられることになる。それは何かと言えば、「今は体制に従っているけど、いつどうなるか分からないからな。お前ら調子に乗るなよ」というメッセージである。』
- パリのデモから考える (國分功一郎のブログ, 2012-03-12)
國分功一郎さんの民主主義に対する視点は下記書籍により深く書かれているようです。
- 國分功一郎(著)「民主主義を直感するために」 (晶文社, 2016-04)