法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

生活保護問題対策全国会議(編)「間違いだらけの生活保護バッシング」

生活保護問題対策全国会議(編)「間違いだらけの生活保護バッシング」を読みました。平成24年(2012年)春の生活保護バッシングを機に、同年8月に緊急出版された本です。前半は Q&A 形式で「生活保護の誤解と利用者の実像」について書かれていました。後半は利用者や支援者の声が掲載されていました。

生活保護に対する世間の見方は、日本特有の「強きに靡き、弱きを挫く」「勝てば官軍、負ければ賊軍」「立身出世至上主義」などに基付いているように思いました。他者を見下したい人たちのための、ちょうどよいターゲットとなっているのかもしれません。

生活『保護』という名称からも、受給者の立場が一段下に置かれてしまっているような印象を受けてしまいます。英語では「Public Assistance」と呼ぶようで、直訳すると「公的扶助」です。「生活保護」よりも「公的扶助」の方が、受給者を対等な関係で見ているように思います。

「保護」だと思って制度設計されているため、最悪の事態に陥るまで支援できない制度となっているのではないかと思います。「扶助」だと思って制度設計すれば、困窮度が初期のうちから支援できるようになり、生活を立て直してもらいやすいのではないかと思いました。今のままでは生活困窮者のブラックホールとして機能しかねないと思いました。