法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

西海コエン(著)「対訳 日本小史」

西海コエン(著)「対訳 日本小史」を読みました。古代から現代までの日本の歴史の概要が日本語と英語で(写真付きで71ページづつに)まとめられています。英語で読む日本史はなんだかとても新鮮に感じました。

明治維新から第二次世界大戦敗戦までの歴史を読んでいると、まるで現代日本の姿が語られているかのように感じました。考えてみると、明治から昭和前期に生きた日本人も、昭和中期から現代に生きる日本人も、表面的な知識や思想は違っていたとしても、心根はほとんど同じなのではないかと思います。先祖代々受け継いできた心根は、知らず知らずのうちに守り伝えられているものと思います。ですから一人一人は普通に真面目に生きているつもりでも、日本人の普通が積もり積もると、気が付けば日本国をあげて他民族や貧困層を足蹴にしてしまっている可能性は否定できないと思います。現代日本に生きる一人として、過ちを繰り返さないよう心して生きていかねばならないと思いました。

最後に、この本で印象的だった記述をひとつ紹介します。明治時代に製造業が成長した背景として下記のように書かれていました。現代でも相変わらず同じことが繰り返されているように思いました。

  • 「こうした成功は基本的に、豊かな特権階級を政府が協力の後押ししたためであり、大部分の平民や農民は相変わらず貧しかった。」(p.102)
  • “However, these successes were largely due to strong government support of the wealthy privileged classes. Almost all ordinary citizens and farmers remained poor.” (p.103)