法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

海老根一樹(著)「マハトマ・ガンディー」

海老根一樹(著)「マハトマ・ガンディー」を読みました。漫画によるガンディーの伝記です。セリフなどはすべて英語で、欄外に日本語訳が書かれています。(日本語版電子書籍もあるそうです)

ガンディーは1869年(明治2年)にインド西部で生まれ、1888年(18歳頃)にロンドンに留学して弁護士の資格を取得し、1893年(23歳頃)から約20年間南アフリカで弁護士として活動しながらインド系移民の権利回復運動を行い、1915年(45歳頃)にインドに戻り民族運動、独立運動を行い、1948年(昭和23年、78歳)にニューデリーで暗殺されました。

ガンディーの尊称である「マハトマ(Mahātmā)」は「偉大なる魂」という意味で、「偉大なる」を意味する「マハー(Mahā)」と「意識の最も深い内側にある個の根源」を意味する「アートマン(Ātman)」を合わせた言葉だそうです。インドの詩聖タゴールから贈られたと言われているそうです。


印象に残ったセリフを以下に引用します。(実話に基づくセリフなのか、作者による創作なのかは残念ながら私にはわかりません)

下記は、南アフリカにて意見が対立して暗殺を示唆された時のセリフです。心の深いところで繋がることの重要性を示しているように思いました。

My only weapon is my faith in your conscience. (p.82)
私の武器はあなたを信じる心だけです。

下記は、インド帰国後、アーシュラムで不可触賎民に対する根深い差別意識の現実を見て、理想の実現を訴える場面でのセリフです。「Be the change」はガンディーの言葉として引用されているのをよく見かけます。「the change」はとても躍動感のある言葉だと思いました。

We must become the change we want to see in the world. (p.109)
世界に変化を求めるのならまずは私たちが変わらなければ。

下記は、インドで開催された集会での演説時のセリフです。現代日本にも通ずる言葉だと思いました。

Real swaraj (self-governance) requires our complete determination and dedication to strongly stand on our own. (p.112)
真のスワラージ(自治)とは自分自身の足で立ち上がる覚悟が必要なのです。

下記は、非武装市民が軍隊により無差別射撃されたアムリットサル事件の後、深い悲しみと強い憤りを口にする人々に向けたセリフです。

Don't deal violence with violence.
It will only create more hatred sorrow.
Deal the insanity with sanity. (p.125)
暴力に暴力で立ち向かってはいけません。
憎しみは悲しみを増やすだけです。
狂気には正気をもって応じるのです。

下記は、インドの詩聖ラビンドラナート・タゴールの詩集「ギーターンジャリ」を手に、詩集に収録されている詩「Walk Alone」を冒頭から朗読する場面より。

If they answer not to thy call, walk alone.
If they are afraid and cower mutely facing the wall, open thy mind and speak out alone. (p.137)
呼べど答える人なくば歩め一人で。
恐怖で語る人なくば語れ一人で。