NHK「外国人“依存”ニッポン」シリーズの記事をざっと拝見しました。
《NHK「外国人“依存”ニッポン」シリーズ》
日本には「日本人の賃金感覚では割りに合わない仕事を、技能実習生という美名のもと、低収入地域から人を呼び寄せて低賃金で働いてもらう」ことを可能にする『技能実習制度』があります。悲しいかな、彼らの低賃金労働力を前提とした産業分野が少なからず存在していて、彼らの献身的労働によって国産食材をはじめ様々な物価を安く抑えることができているそうです。
このような状態を指して、NHKは「外国人に『依存』している」と表現しているようです。
しかし、果たして彼らは日本と対等で幸せな関係にあると言えるのでしょうか?そしてこの状態を『依存』という一見綺麗な言葉で表現することは人間として許されるのでしょうか?少なくとも長続きする(sustainableな)関係ではないように思いました。
また、「明日は我が身」だとも思いました。今日のように日本国内の物価水準が労働に見合わない状態がこれ以上続くと、高賃金を求めて海外に出稼ぎに行かざるを得ない日本人がこれからどんどん現れるのではないかと思います。日本は非常に危険な状態にあるのではないかと思いました。
一方、下記記事によると日本の劣化はどんどん進んでいるようです。
- 古賀茂明「南北会談で“外交の安倍”のウソが露呈 今そこにある日本の危機とは?」 (古賀茂明, AERA dot., 2018-04-30) https://dot.asahi.com/dot/2018042800024.html
この記事で言及されている範囲でも、一人当たり国内総生産(名目GDP)、国内総生産(GDP)、世界ビジネス環境ランキング、世界大学ランキング、世界MBAランキングなどで日本は順位を下げ続けているそうです。
このままでは、高所得層から低所得層まで海外に活路を求めるしかなくなるのではないかと思います。遠からず「外国人“依存”ニッポン」から「出稼ぎ仕送り“依存”ニッポン」に激変せざるを得ないのではないかと思います。そのくらい危険な水準に近付いているように思いました。
《追記》日本は経済協力開発機構(OECD)参加35カ国の中では、移民の流入が意外と多い国のようです。
下記の記事ではここ5年で移民数がグンと増えたように書いてありますが、期間をもう少し広げてここ10年の移民数の動きを見ると、2011年は移民数が一番少なかった年で、2015年に10年前の水準に戻っただけと考えることもできます。いずれにしてもOECD各国の中では移民数の順位は高い国のようです。もっとも、絶対数で言うとドイツや米国とはまったく比較になりませんが…
- 「移民流入」日本4位に、2015年39万人、5年で12万人増 (西日本新聞, 2018-05-30)
OECDの外国人移住者統計は下記ページからダウンロードできるようです。