法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

現代社会と三毒 - ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ(著)「ローカル・フューチャー ”しあわせの経済”の時代が来た」

ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ(著)「ローカル・フューチャー ”しあわせの経済”の時代が来た」(無料英語PDF版)を2ヶ月ぶりに読み直しました。著者はNPOローカル・フューチャー」の創設者・代表のヘレナ・ノーバーグ=ホッジさんです。

この本では『グローバル化』と『ローカル化』を比べながら『ローカル化』こそが「幸せの経済」をもたらす道であることが解き明かされ、『ローカル化』に向けて歩んでいくための道筋が示されています。

今回は前回までとは少し異なる視点で読みました。

グローバル化』と『ローカル化』を単純に比較すると理念の違いのように見えるかもしれません。しかし本質的な違いは、三毒(貪瞋癡)からの距離にあるのではないかと思いました。この本で『グローバル化』と分類される行動には利己的な欲望に基づくものが多く見られ、『ローカル化』と分類される行動には共生的な気持ちに基づくものが多く見られるからです。『グローバル化』は「三毒の権化」と考えることができるように思いました。

現代社会はとても不思議な社会で、お互いに三毒を煽り合い、燃え上がらせ合うことで成立しているのではないかと思うことがあります。三毒現代社会を回すための必須エネルギーとなってしまっているのかもしれません。そればかりか、まるで現代社会には三毒の増幅装置が組み込まれているかのようで、どんなに純粋素朴な人でも現代社会に一歩足を踏み入れた途端に三毒が湧き立ち、三毒に溺れてしまうようにできているではないかと思うこともあります。

現代社会は三毒に溺れてしまった人同士が鎬を削り合い、争い合うことで成り立っているのかもしれません。そのため、一見すると「強いもの勝ち」の世の中のように見えます。しかし本当は三毒に負けて、心を三毒に乗っ取られてしまった人たちが修羅道の世界に生きている姿が目立っているだけではないかと思います。人間同士が争っているように見えて、実は三毒同士が争っているのではないかと思います。

このように考えると、現代は三毒から離れることが特に大切な時代ではないかと思います。現代社会に組み込まれている三毒の増幅装置に振り回されないよう、強力な免疫力を身につけることが特に重要な時代だと思います。

本当は現代社会が持っているのは、三毒の増幅装置ではなくて、願望の実現加速装置なのかもしれません。もしもそうだとすると、現代社会ではどのような心境にあるかが特に重要なのかもしれません。少しでも三毒を抱くと増幅されて飲み込まれてしまう一方で、崇高な目標を実現しやすい社会でもあるのかもしれません。私のように不純な人には大変な社会ですが、ピュアな人には生きていきやすい社会なのかもしれません。

今回はそんなことを思いました。