法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

中淳志(著)「バーミヤン写真報告2002―中淳志写真集」

中淳志(著)「バーミヤン写真報告2002―中淳志写真集」を読みました。2001年にタリバンに破壊されたバーミヤンの遺跡群の詳細な写真報告です。撮影は2002年5月頃に行われたそうです。

Wikipediaの記述によると、バーミヤンの仏教遺跡は1世紀頃から開削され始めたそうです。そして5〜6世紀には巨大な石仏が掘られたり、美しい壁画が描かれたりしたそうです。西暦630年に玄奘三蔵が訪れた際には荘厳な仏像や大規模な僧院が存在していたそうです。しかしその後イスラム教の勢力が強くなり、仏教の勢いは衰えて、石窟は荒れていったそうです。それでも20世紀までは残っていましたが、2001年にタリバンにより破壊されてしまいました。現在修復作業が進められているそうです。

千年以上も前にこれだけの規模の石窟を作るのは、現代人の想像を絶する大変な作業だったのではないかと思います。当時の人たちの仏教にかける思いは、私などの想像を遥かに超えた篤いものだったのだろうと思います。だからこそ、大変な危険を冒してまでたくさんの荘厳な石窟を作り、物資が少ないなかで豪華絢爛に装飾して、何世代にも渡って大切に守られていたのだろうと思います。

不便だからこそ見えるもの、便利だからこそ見えないものがあって、現代人は色々と見えすぎるがために却って何も見えなくなっているのかもしれないなぁと思いました。